肌のくすみが気になる、なんとなく疲れが抜けない──そんなとき「抗酸化」という言葉を目にする機会が増えていませんか。抗酸化物質は、体内で発生する活性酸素(細胞を傷つける原因になる物質)を抑える働きがあるとされていて、肌や健康のために意識する方が増えています。この記事では、日本の食事調査をもとに、実際にどの食品から抗酸化物質を多く摂っているのかをランキング形式で整理し、毎日の食事への取り入れ方を考えていきます。
抗酸化食品ランキング──日本の食事調査から見えた上位食材
「抗酸化作用がある食品」と聞くと、ブルーベリーやアサイーなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、実際に日本人が日常的に抗酸化物質を摂取している食品は、意外と身近なものが中心です。
2021年のJournal of Epidemiology掲載の研究では、1990年代の東北地方の農村部に住む成人を対象に、日常の食事からの抗酸化物質摂取源を調べました。この研究で使われた指標はORAC値(酸素ラジカル吸収能)という、食品の抗酸化力を数値化したものです。結果をランキング形式で見ると、以下のようになっていました。
- 1位:緑茶──総抗酸化摂取量の約40〜50%を占める主要な摂取源でした
- 2位:コーヒー──飲料として緑茶に次ぐ貢献度
- 3位:野菜類(ほうれん草、ブロッコリー、トマトなど)
- 4位:果物類(りんご、みかんなど)
- 5位:豆類・大豆製品
意外だったのは、サプリメントや特別な食材ではなく、毎日飲む緑茶やコーヒーが抗酸化摂取の大きな割合を占めていた点です。私自身、オーガニック料理が趣味なのでスーパーフードに目が行きがちでしたが、この研究を読んで「まずは日常の飲み物を見直すだけでも違うのかも」と感じました。
ただし、この研究は1990年代の東北農村部の成人が対象で、現代の都市部に住む20〜40代の食生活とは異なる可能性があります。また、ORAC値はあくまで試験管レベルでの抗酸化力を示す指標であり、体内で同じ効果があるとは限りません。研究データはあくまで参考として、自分の食生活に照らし合わせてみてください。
ランキング上位食材の特徴と注意点
緑茶──手軽だけど飲み方に工夫が必要
緑茶に含まれるカテキンは、抗酸化作用が高いポリフェノールの一種です。先述の研究でも、緑茶が抗酸化摂取の最大の供給源でした。1日3〜5杯程度を目安にしている方が多いようです。
ただ、緑茶にはカフェインが含まれるため、夕方以降に飲むと睡眠に影響することがあります。クリニックでも「肌荒れが治らない」と相談に来た方に生活習慣を聞くと、睡眠が5時間以下だったケースがありました。睡眠の質を下げてしまっては本末転倒なので、午後はカフェインレスの緑茶や水に切り替えるのも一つの方法です。
コーヒー──量より習慣の継続がポイント
コーヒーに含まれるクロロゲン酸も抗酸化作用があるポリフェノールです。1日1〜3杯程度が一般的な目安とされていますが、胃が弱い方やカフェインに敏感な方は無理をしないでください。
野菜・果物──色の濃いものを意識
ほうれん草、ブロッコリー、トマト、にんじんなど色の濃い野菜には、ビタミンCやβカロテンなど複数の抗酸化物質が含まれています。果物ではりんごやみかんが日本の食卓でなじみ深い選択肢です。
よく「1日350gの野菜」と言われますが、正直なところ毎日きっちり測るのは難しいですよね。私は朝食にミニトマトを5個、夕食に緑の野菜を一品追加するくらいから始めました。無理なく続けることが大切だと思っています。
毎日の食事への取り入れ方──3つの工夫
1. 飲み物を「緑茶かコーヒー」にする時間を決める
朝はコーヒー、午前中は緑茶、というように時間帯で分けると、カフェインの摂りすぎを防ぎつつ抗酸化物質を摂取しやすくなります。ペットボトルの緑茶でも問題ありません。
2. 「色の濃い野菜」を1食1品追加する
サラダにトマトを加える、みそ汁にほうれん草を入れるなど、小さな追加から始めてみてください。冷凍野菜を活用すれば、忙しい日でも続けやすいです。
3. 果物は「皮ごと食べられるもの」を選ぶ
りんごやぶどうなど皮ごと食べられる果物は、皮にもポリフェノールが含まれています。洗って丸かじりできるものなら、調理の手間もかかりません。
まとめ
抗酸化食品というと特別なスーパーフードをイメージしがちですが、日本の食事調査では緑茶やコーヒー、身近な野菜・果物が主な摂取源であることがわかっています。ランキング1位の緑茶が全体の約40〜50%を占めていたのは印象的でした。
ただ、この研究は1990年代の農村部が対象であり、現代の生活にそのまま当てはまるとは限りません。また、抗酸化物質を摂れば肌がきれいになる、老化が止まる、という単純な話でもないのが正直なところです。肌本来の力を引き出すには、食事だけでなく睡眠や紫外線対策なども含めた生活全体のバランスが大切だと、クリニックで患者さんと接していて感じます。
まずは毎日の飲み物を緑茶やコーヒーにする、色の濃い野菜を一品足す、といった小さな一歩から始めてみてください。続けられる範囲で、自分に合う方法を見つけていただけたら嬉しいです。
参考文献
本記事は以下の研究・論文を参照して作成しました。
- Tsubota-Utsugi M et al. (2021) The Major Source of Antioxidants Intake From Typical Diet Among Rural Farmers in North-eastern Japan in the 1990s.. J Epidemiol. [PubMed]
※ 本記事は医療アドバイスを提供するものではありません。健康に関する判断は医療専門家にご相談ください。