睡眠不足で肌荒れが止まらない?美容皮膚科経験者が伝える眠りと肌の関係

ライター:田中 美咲

夜中までスマホを見てしまった翌朝、鏡の前で「なんだか顔色が悪い」「目の下のクマがひどい」と感じたこと、一度はあるのではないでしょうか。私自身、クリニック勤務時代は夜勤明けの自分の肌を見てため息をついたことが何度もあります。

今日は、睡眠と肌がどう関係しているのか、そして睡眠の質を上げるために私が実際に試してきた習慣についてお話しさせてください。

クリニックで見てきた「睡眠不足の肌」の特徴

美容皮膚科に7年間勤務していた頃、患者さんの肌を毎日観察する中で気づいたことがあります。「最近よく眠れていない」とおっしゃる方の肌には、ある共通点があったんですね。

30代後半の女性Aさんの例をお話しします。彼女は「何を使っても肌がくすんで見える」という悩みで来院されました。高価な美白美容液を使っても効果を感じないとのこと。詳しく伺うと、仕事が忙しく就寝時間が深夜2時を過ぎる日が週の半分以上だったそうです。

2ヶ月ほど睡眠時間を見直していただいたところ、肌のトーンが明らかに変わりました。もちろんスキンケアも続けていましたが、「美容液を変えたわけでもないのに」と驚かれていたのが印象的でしたね。

でも正直なところ、睡眠を整えても変化が出にくい方もいらっしゃいました。個人差があるのは事実ですし、睡眠だけで全てが解決するわけではありません。ただ、クリニックで見ていると、睡眠の乱れが肌に影響していると感じるケースは約6〜7割はあったように思います。

睡眠中に肌で何が起きているのか

なぜ睡眠が肌に影響するのか、少し掘り下げてみますね。

眠っている間、私たちの体では「成長ホルモン」が分泌されています。このホルモンは肌の細胞を修復したり、新しい細胞を作る手助けをしてくれるものです。特に眠り始めてから約3時間の間に多く分泌されると言われています。

2015年にイギリスで行われた研究では、睡眠の質が低い人は肌の老化サインが多く、睡眠の質が高い人に比べて肌のバリア機能の回復が30%遅かったという結果が報告されています(Clinical and Experimental Dermatology, 2015)。

ただし、この研究の対象は30〜49歳の女性60名で、そのうち半数は慢性的な睡眠不足の方でした。生活環境や食事などの条件も異なるため、この結果がそのまま全員に当てはまるとは言い切れません。研究データはあくまで参考として捉えていただければと思います。

それでも、現場で患者さんの肌を見てきた経験と照らし合わせると、睡眠の影響は無視できないと感じています。

睡眠の質を上げるために私が続けている5つの習慣

ここからは、私自身が試して効果を感じた習慣をお伝えしますね。全部を一度に始める必要はありません。できそうなものから試してみてください。

1. 寝る90分前にはスマホを手放す

これは特にお伝えしたいことです。寝る直前のスマホは肌の大敵だと思っています。ブルーライトが睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑えてしまうだけでなく、SNSを見ていると脳が興奮状態になりやすいんですね。

私は枕元にスマホを置かず、リビングで充電するようにしています。最初は不安でしたが、1週間もすると慣れました。朝の目覚めが明らかに違うと感じています。

2. 入浴は就寝の1〜2時間前に

お風呂で体温を上げておくと、その後体温が下がるタイミングで眠気が訪れやすくなります。忙しい日はシャワーで済ませることもありますが、できれば湯船に10分ほど浸かるようにしています。

3. 寝室の温度と湿度を整える

暑すぎても寒すぎても眠りが浅くなりがちです。私の場合は室温18〜22度、湿度50〜60%を目安にしています。加湿器を置くようになってから、朝起きたときの肌の乾燥も和らぎました。

4. 夕食は就寝3時間前までに

胃に食べ物が残っている状態だと、体が消化に集中してしまい睡眠の質が下がりやすくなります。仕事で遅くなる日は難しいこともありますが、意識するだけでも違うかもしれません。

5. 軽いストレッチやヨガを取り入れる

私は27歳のときにヨガを始めたのですが、それから肌の調子が安定したと感じています。睡眠の質が上がり、ストレスが減ったことが肌に直結したのだと思います。激しい運動ではなく、寝る前に5〜10分程度の軽いストレッチで十分ですね。

これらの習慣が全員に効くわけではありません。私に合ったものが、あなたに合うとは限らない。だから「自分の体で試してみる」という姿勢が大切だと考えています。

まとめ

睡眠と肌の関係について、クリニックでの経験と私自身の体験をもとにお話ししてきました。

高価なスキンケアを揃える前に、まずは今夜の睡眠を見直してみるのも一つの選択肢かもしれません。肌の調子が気になるとき、つい外側からのケアに目が向きがちですが、内側からのアプローチも同じくらい大切だと感じています。

もちろん、睡眠だけで全ての肌悩みが解決するわけではありません。でも、試してみる価値はあると思います。今日の内容が、少しでもあなたのスキンケアのヒントになれば嬉しいですね。

著者:田中美咲(美容皮膚科クリニック勤務経験7年・スキンケアライター)

田中 美咲

田中 美咲

美容皮膚科クリニックに7年間勤務した後、現在は美容・スキンケア専門ライターとして活動。クリニックでの現場経験をもとに、科学的根拠に基づいたスキンケア情報を発信しています。自身も20代の頃から敏感肌に悩んだ経験から、「続けられるシンプルなケア」を大切にしています。

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