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ライター:田中 美咲
先日、友人から「SPF50を毎日塗っているのに、なぜかシミが増えた気がする」という相談を受けました。よく聞いてみると、SPFの数値ばかり気にして、PAについてはほとんど意識していなかったそうです。クリニック勤務時代にもこうした声をよく聞いていて、最近改めて「SPFとPAの違いを正しく理解している人は意外と少ないのかもしれない」と感じています。
今回は、日焼け止めを選ぶときに知っておきたいSPFとPAの意味、そして自分に合った選び方についてお話ししますね。
SPFとPAは守る「紫外線の種類」が違います
まず整理しておきたいのは、SPFとPAはどちらも紫外線から肌を守る指標ですが、対象となる紫外線の種類が異なるということです。
SPF(Sun Protection Factor)は、主にUVB(紫外線B波)を防ぐ力を示します。UVBは肌表面に作用して、日焼けによる赤みやヒリヒリ感、いわゆる「サンバーン」を引き起こす紫外線ですね。
一方、PA(Protection Grade of UVA)は、UVA(紫外線A波)を防ぐ力を示します。UVAは肌の奥深くまで届き、シミやシワ、たるみといった「光老化」の原因になるとされています。2025年のCureus誌に掲載された研究では、UVA・UVB両方が肌タイプによって異なる光老化プロセスを引き起こすことが詳しくまとめられています。ただしこの研究はレビュー論文なので、個別の実験結果とは性質が異なる点には注意が必要です。
つまり、SPFの数値が高くても、PA表記が低ければUVAへの防御は十分ではないかもしれません。「SPF50だから安心」と思っていた友人のケースは、まさにここを見落としていたんですね。
SPFの数値、高ければ高いほど良いわけではありません
クリニック勤務時代によく聞いたのは、「とりあえずSPF50を選んでおけば間違いないですよね?」という質問でした。でも正直なところ、日常生活であればSPF30程度で十分という方も多いです。
2026年のCureus誌の研究では、世界各地域でのSPF基準の違いについて科学的・規制的な観点からまとめられています。日本ではSPF50+が上限表記ですが、地域や生活スタイルによって必要な防御力は異なるとされています。研究対象が規制面中心なので、実際の肌への効果とは少し話が違いますが、「数値が高い=すべての人に最適」ではないことがわかりますね。
高SPFの製品は紫外線吸収剤や散乱剤の配合量が多くなる傾向があり、敏感肌の方には刺激になることもあります。私自身、20代前半に敏感肌で苦労していた時期があって、SPF50の製品で赤みが出てしまい、SPF30のノンケミカル処方に変えたら落ち着いた経験があります。
数値の高さよりも、塗り直しをこまめにできるかどうかのほうが実際の効果に影響すると現場で見ていて感じます。SPF50を朝1回塗って終わりより、SPF30を2〜3時間おきに塗り直すほうが、トータルの防御力は高いという方もいますね。
妊娠中やライフステージで選び方は変わります
日焼け止め選びは、ライフステージによっても考え方が変わってきます。たとえば妊娠中は、使える成分に制限があるのでは?と心配される方も多いですよね。
2025年のFrontiers in Medicine誌の研究では、妊娠中の紫外線対策について安全性と肌の健康の観点からまとめられています。この研究によると、酸化亜鉛や酸化チタンを使った物理的(ノンケミカル)日焼け止めは妊娠中も比較的安心して使えるとされています。ただし、すべての成分が検証されているわけではないので、気になる場合はかかりつけ医に相談するのが確実です。
また、2023年のPlants誌に掲載された研究では、植物由来のポリフェノールがUVA・UVB両方に対して保護効果を示す可能性が報告されています。こうした天然成分への関心は高まっていますが、まだ研究段階のものも多いので、「天然だから安全」と決めつけずに成分表示を確認する習慣をつけてみてください。
私が日焼け止め選びで大切にしていること
これは完全に私の持論なんですが、日焼け止めは季節問わず毎日必須だと思っています。曇りの日でもUVAは雲を通過しますし、室内でも窓から入ってきます。これだけは絶対に妥協しないようにしているポイントです。
選ぶときに見ているのは、以下の3つですね。
- SPFとPAのバランス:日常使いならSPF30・PA+++程度を目安に
- テクスチャーと使用感:毎日使うものだから、塗り心地が悪いと続かない
- 落としやすさ:クレンジング不要で石けんで落ちるタイプは肌への負担が少ない
高価な製品を使うより、手頃な価格のものを適量・こまめに塗り直すほうが実際の効果は出やすいと感じています。かつて私自身、口コミで人気の高級美容液を使い続けても肌荒れが治らず、結局は使い方の問題だったという失敗があるので、「正しい使い方」を優先するようにしています。
まとめ
SPFはUVBを、PAはUVAを防ぐ指標で、それぞれ役割が違います。SPFの数値が高ければ良いというわけではなく、自分の生活スタイルや肌質に合わせて選ぶことが大切ですね。
研究データを見ていると参考になることは多いですが、対象者の年齢や条件が自分と違えば結果も変わります。だから「これが正解」とは言いにくいのが正直なところです。まずは自分の肌で試して、塗り直しの習慣をつけることから始めてみてください。日焼け止めは、続けられるものを選ぶのが一番だと思っています。
参考文献
本記事は以下の研究・論文を参照して作成しました。
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Monsalve-Bustamante YA et al. (2023)
Holistic Photoprotection, Broad Spectrum (UVA-UVB), and Biological Effective Protection Factors (BEPFs) from Baccharis antioquensis Hydrolysates Polyphenols..
Plants (Basel). [PubMed] -
Lim HW et al. (2025)
Photoprotection in pregnancy: addressing safety concerns and optimizing skin health..
Front Med (Lausanne). [PubMed] -
Patel MN et al. (2026)
Global Perspectives on Regional Sun Protection Factor (SPF) Requirements: Scientific and Regulatory Insights..
Cureus. [PubMed] -
Brar G et al. (2025)
A Comprehensive Review of the Role of UV Radiation in Photoaging Processes Between Different Types of Skin..
Cureus. [PubMed]
※ 本記事は医療アドバイスを提供するものではありません。健康に関する判断は医療専門家にご相談ください。